締固めの重要性

締固めは,地盤工学の古典的課題の一つでもありこれまで多くの切り口で様々な検討がされてきました.とくに,盛土やダムなどの大規模な工事では,様々な技術を用いて品質の高い締固め性能を持った盛土の管理がされています.

筆者らも土壌硬度計を用いた締固めの品質管理の研究を行っていますが,
なぜ,締固めは重要なのでしょうか.

あわせて読みたい
地中埋設管埋戻し時の山中式土壌硬度計を用いた締固め品質の定量評価および道路設備の安全性向上に向け... STEP締固めの品質管理手法 土の締固めは,地盤工学の古典的課題の一つでもありこれまで多くの切り口で様々な検討がされてきました. そして,その締固め品質を管理する...

ここでは,道路での締固め不足により発生が懸念される現象を2つ紹介します.

目次

1 コラプス沈下による道路の陥没

コラプス沈下は,密度が低く乾いてる砂に水が浸入したときに砂同士の結合が軟化し,上からの加重に負けて沈下する現象です.

つまり,以下のような道路の埋め戻し後に発生が起きやすいです

・普段から地下水位が高い(地面が飽和しやすい)
・最適含水比よりも乾燥側で締固めが不十分で締固めを終えた

これらの条件の時,復旧後,地下水位が戻り埋戻しした部分が飽和します.
この際に,理論的には,コラプス現象により間隙に水が浸透し(飽和状態),上層からの加重により沈下となります.

では,密度を高くすればよいのでしょうか.

現実問題としては,一概に密度を高くできない事情もあったりします
例えば…
・地下には多くの埋設管が埋まっています.したがってランマーにより締固めが物理的にできない
・交通量の多い都心などでは,夜の工事になりますが,騒音事情によりランマーを入念にできない
・道路の開通させるまでに時間が限られていて,締固めの時間を確保できない
・そもそも地下水位が高い場所はもともと含水比が高く締固めができない(オーバーコンパクション)

このような事情より,実際の締固めは,
現地の状況や環境,砂の濡れ具合,施工時間の余裕など様々な要因が複雑に絡み合っており,現場の職人さんのウデにかかってるというわけです.

たまたま歩いていたら,仮舗装後に陥没したのであろう場所を見つけましたが,
この辺りは,地下水位が高く飽和しやすいためコラプス沈下が起きやすいのだろうと推察します
ここだけでも3回くらい補修した跡が見受けられました.

歩道ですので,加重が大してからないにも関わらず沈下をしてしまうので,管理が大変な地域も多く存在します.

液状化による被害

液状化は,地下水位が高く,粒度がそろった砂質土で,緩く堆積しているときに地震動により発生します.(教科書的には,一部例外もあり)

液状化が発生すれば,浮力のある埋設物は突き出して,電柱などの重いものは,沈下します.

液状化により傾いた看板や電柱 (能登半島地震/2024年1月1日)

液状化により沈下した電柱と噴砂 (能登半島地震/2024年1月1日)

今回は,締固め不足による道路での被害事例と締固めの難しさについて紹介をしました

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

土質の研究者.現在は民間企業で埋戻し土の品質管理に関する研究に従事.

コメント

コメントする

目次