地中埋設管埋戻し時の山中式土壌硬度計を用いた締固め品質の定量評価および道路設備の安全性向上に向けた研究– 締固め品質を施工後に山中式土壌硬度計を用いて測定することで,コラプス沈下や転圧不足による道路陥没を防ぐ品質管理手法検討 –

STEP
締固めの品質管理手法

土の締固めは,地盤工学の古典的課題の一つでもありこれまで多くの切り口で様々な検討がされてきました.

そして,その締固め品質を管理する手法も多く提案されてきました.

締固めの品質管理手法には2つの手法があります
① 品質規定方式 Dc法や飽和度による管理手法
② 工法規定方式 巻き出し圧や機械を指定する管理手法

それぞれの管理手法の詳細はここでは省きますが,実際は埋設管埋戻し後の道路陥没や液状化被害が発生しています.

あわせて読みたい
締固めの品質管理方法について 締固めの品質管理手法には2種類あることを紹介しました. ここでは,品質規定の締固め度による管理と飽和度による管理手法について原理と管理基準そして課題点について...

読売新聞の調査では,全国の国道で2015~24年度におよそ1000件を超える陥没や空洞が発生し,半分程度が埋設管などの破損による土砂の「吸い込み」でしたが,それ以外にも,地盤の締固め不足などの「施工不良」によるものも約2割ほどであることが分かりました.
引用 国道の陥没・空洞10年間で1100件超、「破損管に土砂」44%…「1km内で複数」半数近く:読売新聞オンライン,https://news.yahoo.co.jp/articles/09c4cb37bbf6f25d2e970face81be54ec87b388d?page=1,2025年7月閲覧

よって,締固め施工後に容易に締固め品質を定量的に把握することができれば,被害を減らすことができるでしょう.

山中式土壌硬度計を用いて締固め性能の把握を目指して研究を進めています.

STEP
山中式土壌硬度計に関する研究

大きく2つの検討をおこなっています

  • 土壌硬度計の結果は,土壌硬度計オリジナルの値:締固めモールド内で供試体を作製し物理量と比較
  • 実規模で実際の管を埋設し,ランマーで締固めをしたうえで,土壌硬度計の測定結果について考察

締固めモールド内での土壌硬度の測定状況

土壌硬度計曲線

近年の研究から,土壌硬度計や重錘落下法などから求められる地盤合成指標の値が,含水比~乾燥密度関係において等高線になることが分かってきています.

土壌硬度計も図のような等高線となることから,Dc法よりもより精度の高い締固め品質管理ができると考えています.

STEP
発表関係

山中式土壌硬度計の測定のばらつきとせん断試験との結果の比較の検討

先日開催された,地盤工学会,関東支部主催の「土の締固め管理の合理化に関するシンポジウム」では,実際に実規模で管路を埋設し締固めを行った地盤を山中式土壌硬度計で測定し,その締固まり状況,他の原位置試験との関係性について発表をしました.

https://jibankantou.jp/event/pdf/20221208morido_program.pd

土壌硬指数と物理量の比較のための供試体作製とサンプリング手法の検討

第58回地盤工学研究発表会で発表しました.詳しくは以下をご覧ください.

あわせて読みたい
第58回地盤工学研究発表会に参加しました. 第58回地盤工学研究発表会に参加しました 私は,7月11日の締固めセッションで,[11-12-2-05] 土壌硬指数と物理量の比較のための供試体作製とサンプリング手法の検討に関...

実規模実験と室内実験での土壌硬度計の結果の比較

第60回地盤工学研究発表会で発表しました.詳しくは以下をご覧ください.

あわせて読みたい
第60回地盤工学研究発表会@下関で発表しました! 2025年7月22日~25日に海峡メッセ下関および下関市生涯学習プラザで開催された第60回地盤工学研究発表会に参加し,発表しました. 発表題目は,「実規模埋戻し現場と室...